営業は開拓者でありたいと書きました。
では、開拓者としての営業に必要なこととは何か?
それはまず勇気だと思います。未踏の地に行く勇気です。
そもそも歴史をさかのぼって考えた時、商人のもっとも大きな価値とはなんだったのか?
まだ、昔は旅がつねに危険だった時代。道で盗賊におそわれるかもしれない、嵐で船が沈没するかもしれない、そんな時代です。
だから、
昔、あきないで、品物をとどける、あるいはもってくることは命がけでした。
ラグジュアリーの話を昔書きましたが、貴族にとっての代表的なラグジュアリー品は異国のものでした。なぜなら、それは命がけで入手する必要があったから。だから、それはとても貴重なものだったわけです。
人はものにお金を支払っていましたが、見方を変えれば、商人のその勇気にお金を払っていたように思います。
もう一つは信頼。
これも昔のことを考えると、目の前に異国の地から持ってきたという品物を持った商人がいる。その商人に品物の代金としてお金をわたすとき、払う人は商人を信頼しなければ払えません。
なぜなら、命がけで異国からもってくる商品とは、見たこともない商品なわけですから、その商品がほんとうに命がけでその人が持ってきたものかどうかを品物を見て判断することはとても難しいからです。
結局、もってきたその人を信頼するしかない。だから、信頼されない人には商売はできない。
お金をもらって品物をゆだねる人も同じです。
とんでもなく安くて買われているかもしれない。ほんとうにその人が品物を相手に届けてくれるのかもわからない。ゆだねるものがとても貴重なものとなれば不安でいっぱいになるでしょう。
そして、目の前の商人は行ったこともない異国の地から来ている人、どんな人かもわかりません。
それでも、品物をわたす。そこには商人への信頼が必要です。
営業とは全人格の勝負だと言われた話を昔書きました。
その全人格とは、未踏の地に命をかけて行く勇気と見ず知らずの人からも信頼される人格。
ただ、今の時代、もう命がけで行くような未踏の地はありません。今の時代の未踏の地は未来だと思います。
今求められる営業の人格とは、未踏の未来に踏み出す勇気と、ともに進もうと思ってもらえる信頼ではないか。
そう思います。
必ず学べることはある
学んだことは次の人にわたす
Everything is beautiful, nothing hurt